背景

Thermax Group Thermax Groupはインド・プネーに本社を置く大手持続可能エネルギー企業です。ターンキー発電プラント、都市下水処理施設、大気汚染低減装置などを開発・建設しています。

課題

高精度なCFDシミュレーションのため、Thermaxは高品質なHex-dominantメッシュを作成し、ANSYS Fluentへ渡して解析しています。製品形状が複雑になるにつれ、従来のメッシングソフトでは必要なHexメッシュ品質を得にくくなりました。また、ほぼ同じ作業を繰り返す工程が多く、技術者の負担と工数が増加し、設計から製造までのリードタイムにも影響していました。

解決方法

表1: ThermaxがCoreform Cubitへ移行して以降、年度ごとの平均削減工数を示した表。スクリプトの蓄積とユーザー経験の向上により、時間・人件費の削減効果は年々大きくなっています。

2019年、Thermaxはメッシング要件と市販ツールを全面的に再評価し、Coreform Cubitへの移行を決定しました。複雑でマルチスケールなプロジェクトには高品質なHexメッシュ生成が必要である一方、形状やメッシング作業には繰り返しが多くありました。Coreform Cubitは、高度なHexメッシングと自動化の両方によってこの2つの課題へ対応しました。

図1: ThermaxがCoreform Cubitで作成した電気集じん機のCFDメッシュ。

手作業を減らす、堅牢な半自動Hexメッシングと対話型スマートツール: Thermaxの対称・反復形状モデルでは、メッシュ作成や境界名の設定を何度も繰り返す必要があり、従来ソフトでは時間とコストの大きな負担でした。Coreform Cubitでは、境界名とメッシュ品質を保持したままメッシュを確実にコピー・変換でき、ワークフローを大きく改善しました。従来利用していた他ツールでは同様の機能をうたっていても、実運用では十分な信頼性を得られませんでした。

図2: ThermaxがCoreform Cubitで作成した電気集じん機のCFD形状。Coreform CubitのPythonスクリプティングを使って強調表示された面を生成・命名し、その名称をCFDシミュレーションへエクスポートしています。

強力なスクリプティングとプロセス自動化でシミュレーション処理量を最大化: Coreform Cubitは強力なスクリプト言語とPython APIを備えています。Thermaxは反復作業を自動化し、時間と作業負担を大幅に削減しました。たとえば反復形状への境界条件割り当てを完全自動化し、1プロジェクトあたり平均3〜8時間を削減しています。構築した自動化により、3Dモデルの変更から解析可能なメッシュへの反映を数分で行えるようになり、製品群全体で生産までの時間を短縮しています。

図3: 発電所の大気汚染対策に用いる電気集じん機のメッシュモデル。ThermaxではCADをインポートするだけでなく、メッシング前にCoreform Cubit内でCAD形状を直接作成することもあります。

図4: 3室構成の電気集じん機(ESP)のCFD形状。ESP chamber-2の形状・メッシュ・境界条件を、1コマンドでESP chamber-3へコピーしています。

Hexメッシュ生成のためのCAD準備を効率化する包括的ツールセット: これらの機能に加え、Coreform CubitのGUIは新しい技術者にも直感的で使いやすいことが確認されました。コマンドパネルとモデル構築機能により、短時間でモデル作成とメッシングが可能です。形状準備・簡略化を支援するツールや境界条件設定機能により、習得時間と社員教育コストも削減できました。

図4: Thermaxが大気汚染対策用にCoreform Cubitで設計・メッシュ作成したバグフィルターのCFDモデル。解析ではバッグ部にほぼ均一な流速分布が得られ、ろ過性能の向上につながります。

まとめ

Thermaxは2019年から電気集じん機やバグフィルターのメッシングにCoreform Cubitを使用しています。累計で1,000時間を超える作業を削減し、技術者の反復作業による負担も軽減したと見積もっています。Coreform Cubitの高度な機能により他のメッシングツールと比べて開発時間を短縮し、精密なメッシュ制御と自動スクリプティングを活用して、CFD向けの超大規模・高品質な構造メッシュを継続的に構築しています。